簡単そうに見えて難しい前置詞の使い方
前置詞は、「前置詞+名詞」の形で使うものと中学生の時に学びましたが、「動詞+前置詞」の形でも使われます。
前置詞+名詞の形(on the table)を前置詞句、動詞+前置詞の形(wait for)を句動詞といいます。
また、動詞が自動詞なのか他動詞なのかで前置詞を使うか使わないか変わってきます。
頭がこんがらがってきそうですが、前置詞句、句動詞、自動詞、他動詞の違いを理解すると前置詞の配置の仕組みがわかってきます。
このページの目次
1.前置詞の基本的な使い方
英語の勉強を始めた初期の頃は、前置詞の使い方・役割・仕組みについて全然気にならない存在だったのではないでしょうか?
しかし、英語の勉強をある程度進めていくと前置詞の使い方に悩まされるようになり、前置詞の役割や仕組みについてものすごく興味を持つようになってきますよね。
私たちは中学生の時に、前置詞とは空間や時間の位置関係を把握するものだと教わりました。
例えば、中学生の時に次のような前置詞の使い方を勉強しましたよね。
- on the table(テーブルの上に)
- 空間を表す前置詞としてonを使ってテーブルに接触しているという意味。
- in Tokyo(東京に)
- 位置を表す前置詞としてinを使って東京の中にいるという意味。
- at five o'clock(5時に)
- 時間を表す前置詞としてatを使って5時という一点を指し示しているという意味。
前置詞の基本的な使い方は、名詞の前に前置詞を配置して「前置詞+名詞」の形となるようにして使います。
on the table、in Tokyo、at five o'clockなどの前置詞を使った形は、どれも「前置詞+名詞」の形になっているので普通に理解できると思います。
ちなみに、「前置詞+名詞」の形のことを前置詞句といい、前置詞の後ろの名詞のことを前置詞の目的語といいます。
前置詞は、基本の形である「前置詞+名詞」の形以外でも使いますので、前置詞についてもう少し詳しく見ていきましょう。
2.自動詞と他動詞の違いによる前置詞の配置ルール
前置詞は、動詞と動詞の目的語との間の空間や時間を補う役割をする品詞でもあります。
前置詞の基本的な使い方は、前置詞を名詞の前に配置して「前置詞+名詞」の形となるようにして使うのでしたよね。
しかし、「動詞+前置詞」という形で配置することによってある意味を持つ使い方もあります。
※「動詞+前置詞」の形を句動詞といいます。
どういうことかというと、下の例文を使って説明していきます。
- 例文1
- I arrived at Tokyo.
- 例文2
- I reached Tokyo.
上記の2つの例文の意味は、「私は東京に到着しました。」となります。
どちらの例文も日本語に訳すと同じ意味になりますが、ここで少し考えてみてください。
なぜ、例文1は名詞(Tokyo)の前に前置詞のatが配置してあり、例文2にはatが配置していないのでしょうか?
例文1は、I arrived Tokyo.ではどうしていけないのか疑問に思いませんか?
その答えは、arriveが一般動詞の中の自動詞という種類の動詞なので前置詞(at)が必要になるからです。
自動詞は主語自身の動作を表す動詞なので、動詞の後ろに配置してある名詞(Tokyo)を目的語としてつかむことができないのです。
では、reachはどうかというと、一般動詞の中の他動詞という種類の動詞なので、動作が他に及ぶことができますので動詞の目的語としてTokyoをつかむことができます。
したがって、arrivedはatと一緒に使うことにより句動詞となり、reachedは前置詞がなくても使うことができる(前置詞は必要ない)ということです。
- 例文1の詳しい意味
- 私は東京に自分自身で行って到着しました。
※前置詞があると起点から着点に向かって行く動作を表しています。 - 例文2の詳しい意味
- 私は努力して東京に到着しました。
※前置詞がないと結果だけを表しています。
このように、前置詞のあるなしで少しニュアンスが違ってきますので注意してください。
では、次の例文はどうでしょうか。今までの説明を踏まえて考えてみてください。
- 例文3
- I shot at a bird.
- 例文4
- I shot a bird.
上記の2つの例文も、自動詞と他動詞の違いがあるので前置詞が使われている形と使われていない形があります。
※例文3のshot atの形は動詞+前置詞なので、句動詞ということはもうおわかりですよね。
- 例文3の詳しい意味
- 私は鳥目がけて撃った。
※前置詞があるので、撃ち落とす前の動作を表していて、撃った後、鳥はどうなったのかわからない。 - 例文4の詳しい意味
- 私は鳥を撃って撃ち落とした。
※前置詞がないので、撃ち落としたという結果を表しています。
このように、前置詞があるのかないのかで少し意味が違ってきます。
動詞が自動詞なのか、又は他動詞なのかわからない方は、辞書で調べれば載っています。これからは動詞を辞書で調べる時は、日本語訳の意味の他に自動詞なのか他動詞なのかも合わせて見るようにすれば、今まで以上に前置詞が使えるようになります。
3.前置詞はいろいろな品詞とつながっています
ここまでは、「前置詞+名詞」、「動詞+前置詞」というように名詞と動詞につながる前置詞について説明してきましたが、その他には、「名詞+前置詞」、「形容詞+前置詞」という形でもつながっているので前置詞は重要な品詞です。
下記に前置詞と組み合わされる品詞の形をいくつか紹介しますのでイメージをつかんでください。
- 前置詞+名詞の形(前置詞の基本の使い方)
- at school(授業中で)、in a box(箱の中に)、in pain(痛くて)、on the wall(壁に)、with you(あなたと一緒に)、for me(私に)
- 動詞+前置詞の形(句動詞としての使い方)
- wait for(~を待つ)、work on(~に取り組む)、laugh at(~をあざ笑う)、agree with(~に同意する)、think about(~について考える)、speak on(~について話す)
- 名詞+前置詞の形
- interest in(~に興味がある)、answer to(~に対する答え)、gift for(~への贈り物)
- 形容詞+前置詞の形
- interested in(~に興味がある)、happy with(~に満足する)、tired of(~にうんざりする)、surprised at(~に驚く)、crazy about(~に夢中になる)、important to(~にとって重要な)、good for(~にとってよい)
なお、2つ以上の語句で構成して前置詞としての意味を持つものを群前置詞(慣用句を含む)といいます。because of(~の理由で)、due to(~の理由で)、according to(~によると)、as to(~に関しては)、as for(~に関しては)、out of(~から)、in front of(~の前に)、in spite of(~にもかかわらず)、in any case(とにかく)など。
また、「前置詞+前置詞」の形で使われる前置詞のことを二重前置詞といいます。from behind(~の後ろから)、since before(以前から)など。
前置詞は、名詞がどのような働きをしているのか、動詞などとどのようにつながっているのかを表す意味を持っています。
前置詞のイメージが理解できてくると、英文の解読が楽になってきます。1つずつ前置詞の意味を覚えて着実に英語の力をつけていきましょう。
スポンサーリンク